住宅の断熱性能を表す「UA値(外皮平均熱貫流率)」とは

住宅の断熱性能を表す「UA値」とは

UA値は住宅の断熱性能を表す指標で、夏涼しく冬暖かくずっと快適に暮らしたい方にとって重要な指標です。また、国の省エネ対策として2025年には「住宅に一定の断熱性能を持たせること」が義務化されます。

そのため、UA値を知らずに家を購入した場合、数十年後の資産価値が大きく減ってしまう恐れがあるのです。

本記事では、UA値の基準や計算方法、一定レベル以上のUA値が義務化される背景などを分かりやすく解説します。

 

 

「UA値(外皮平均熱貫流率)」とは

住宅の断熱性能を表す「UA値とは?」UA値は「ユーエーチ」と読み、外皮平均熱貫流率とも言います。外気に触れる住宅の壁や屋根、窓等の開口部から室内の熱がどのくらい外へ逃げやすいかを数値化したものです。

UA値は数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が良い家(高断熱住宅)となり、省エネ性能の高い住宅になります。

 

UA値の計算式

UA値は、外気に接する部分(屋根・壁・窓・ドア・基礎など)から外へ逃げる総熱量を、外皮の総面積で割って求めます。

住宅の断熱性能を表す「UA値」とは

外に逃げる熱を面積で割りますので、面積当たりでどれくらい熱が逃げて行ってしまうのかがわかります。だから、数値は小さい方が良いのです。

 

 

高断熱住宅の3つのメリット

住宅の断熱性能を表す「UA値とは?」

UA値が小さい高断熱住宅の代表的なメリットとして以下の3つが挙げられます。

● 夏も冬も一年中快適で、光熱費も安くなる
● 熱中症やヒートショックのリスクが減り、安心して暮らせる
● 結露やカビが無くなり、家が長持ちする

それぞれ詳しくご説明します。

 

夏も冬も一年中快適で、光熱費も安くなる

断熱性の高い家は、外気温の影響を受けにくくなります。そのため、冷暖房で温度調整した室温を長く保つことができ、一年中快適に暮らすことができます。

さらに、エアコンの無駄な出力を抑えることができるため、光熱費も安くなります。

 

熱中症やヒートショックのリスクが減り、安心して暮らせる

外気の影響を受けにくい高気密高断熱な家は、エアコンの付いていない部屋でも室内の温度差を抑えることができます。

そのため、冬場に多い血圧の変動によるヒートショックを防ぎ、夏場も涼しい室内で熱中症の防止にも一役買います。

熱中症と聞くと屋外の事と思われがちですが、意外と室内での発生も多いため注意が必要です。

 

結露やカビの発生を抑え、家が長持ちする

冬場や梅雨の結露に悩まされている方は多いのではないでしょうか。

家の高断熱化に加えて、断熱性能の高い窓やサッシを採用することで、結露とは無縁の家を実現することが可能です。

また、結露はカビの発生に繋がり、家の寿命も縮めてしまいます。家や住まう家族が末永く健康であるために、断熱性能や気密性能は非常に大切です。

 

 

地域によって違うUA値の基準

住宅の断熱性能を表す「UA値とは?」

2013年(平成25年)国土交通省「建築物省エネ法」によって、地域ごとのUA値の基準が定められました。

日本は南北に長いため、地域によって気候が大きく異なります。そこで、日本全国を8地域(1地域~8地域)に細分化しています。

なお、福岡県は概ね6~7地域に分類されており、UA値の基準は0.87以下となっています。

 

省エネルギー標準地域区分

地域ごとに定められたUA値の基準を表にまとめると以下のようになります。

地域区分UA値主な該当都道府県
1・20.46以下北海道
30.56以下青森県・岩手県・秋田県
40.75以下宮城県・山形県・福島県・栃木県・新潟県・長野県
5・60.87以下茨城県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・富山県・石川県・福井県・山梨県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県(八女市(旧矢部村)のみ5地域)・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県
70.87以下福岡県(福岡市・志免町・新宮町・粕谷町・芦屋町)・宮崎県・鹿児島県
8沖縄県

ご覧の通り、寒い地域ほど求められるUA値の基準は厳しくなっています。

しかし実は、日本以外の先進国基準で見ればUA値は0.46以下で当たり前というのが実状です。それだけ、日本の住宅性能は後れをとっているのです。

 

 

福岡工務店のUA値

住宅の断熱性能を表す「UA値」とは

福岡工務店が建てる住宅の標準UA値は0.46(HEAT20-G2グレード)です。

これは、福岡よりも遥かに冬の寒さが厳しい北海道の基準と同じで、国が住宅性能の標準として目指すZEHよりも優れたUA値です。

つまり、福岡工務店の建てる家は、雪深くて寒さの厳しい北海道でも快適に暮らせるほどの高い断熱性能を備えており、世界基準で見ても恥ずかしくない住宅ということです。

 

HEAT20-G3グレードの認証済み工務店

さらに、福岡工務店は「WOW基準の家+G3」という名称で、正式に【HEAT20-G3グレードの家】の認証を受けています。【HEAT20-G3グレード】のUA値は0.26です。

最低体感温度が15℃を下回らず、暖房負荷が断熱等級4=UA値0.87の家より約70%削減されます。

住宅の断熱性能を表す「UA値」とは

 

HEAT20とは

深刻化する地球温暖化とエネルギー問題の対策のため、2009年に「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が発足しました。 HEAT20はその略称です。

「2020年を見据えた」と見ると、過去の事でレベルが低いと感じる方もいらっしゃる方もいるかもしれませんが、メンバーは研究者や住宅・建材生産者団体の有志によって構成されており、日本の高断熱化の先頭を走る団体です。

 

福岡で超高断熱・超高気密な家を建てるなら福岡工務店

福岡工務店では、創業当時から高気密高断熱な高性能住宅にこだわり建築を続けてきました。また、住宅に求められる住宅性能の底上げにも対応し、一歩先行く高性能住宅を建てています。

 

「30年後も高性能」な価値のある家を建てたいとお考えの方は、ぜひ資料請求やご来社ください。

 

 

2025年にUA値0.87以下が義務化へ

2025年から、全ての新築住宅に「平成28年基準(断熱等級4)」の断熱性能が義務付けられます。それにより、2022年3月時点で最高等級だった断熱等級4は、2025年以降『最低基準』となります。

住宅の断熱性能を表す「UA値」とは

 

省エネ基準が義務化されてこなかった理由

これまで長い間、省エネ対策の義務化が議論されてきましたが、実現しませんでした。その理由として、2020年に省エネ義務化が見送られた際には、日本政府が以下の3つの理由を挙げています。

1.現行の新築に、省エネ基準を満たす住宅が半数程度しかないこと
2.設計者や中小工務店が省エネ基準に熟達していない
3.申請者・審査者ともに必要な体制が整わない

わかりやすく説明すると、UA値を算出するのに必要な3要素に対応できていない建築会社が多くあったのです。その3要素は以下の通りです。

要素1)営業・設計・現場監督・職人等に断熱や気密に関する専門知識がある
要素2)複雑な計算ができる専用ソフトの導入と運用ができる
要素3)高単価になってしまう省エネ住宅を販売できるスキルやブランド力がある

住宅建築業界は他業界に比べて非常に特殊で、年間施工棟数が10棟以下の家族経営のような小さな建築会社が全体の8割を占めています。

そのような状況で上記の3要素を満たさせるような省エネの義務化を行なうと、8割を超える零細建築会社への負担があまりにも大きく、対応できない建築会社が大量に倒産、雇用の不安定化に繋がると懸念されたのです。

 

日本政府としては苦渋のUA値義務化

雇用の不安定化という懸念がありながらも、国際的な視点で見ると世界各国では環境規制の強化が進められていきます。

そうなると先進国の中で住宅の省エネ性能の面で遅れを取っていた日本が、さらに遅れをとる事になってしまいます。

そのような流れから遂に2025年、省エネ性能の指標のひとつであるUA値が義務化される事となりました。

 

まだまだ全ての建築会社が高断熱住宅に適切に対応できているわけではありませんが、住宅建築業界では断熱や気密に関する勉強会が活発に行われています。

そのため、これから家を建てるお客様にとっては、どの建築会社でも最低限の断熱基準を満たした家が建てられる時代が近づいてきました。

 

 

UA値と同じくらい重要なC値

住宅の断熱性能を表す「UA値」とは

なお、UA値と同じくらい重要な指標に「C値」があります。C値は、住宅の気密性を表す指標です。断熱性能を表すUA値は、コンピューター上で計算した机上の数値です。

しかし、実際の建物は施工によってわずかな隙間が生じており、断熱効果を発揮できない箇所が発生します。

この断熱効果がない部分、つまり「家の隙間」を実際の建物で検査して導き出すのがC値です。

詳しくは「家の気密性能を示すC値」のページをご覧ください。

 

 

まとめ

住宅の断熱性能を表す「UA値」とは

本記事では、UA値が小さい家(高断熱住宅)のメリットや、日本の高断熱住宅の先頭を走る福岡工務店の平均UA値、2025年の省エネ性能の義務化が決まった背景を解説してきました。

今の状況は、1981年(昭和56年)の耐震基準の引き上げと似たような状況と考えています。中古住宅を売買する際、昭和56年以降の耐震基準で建てられた家かどうかというのは査定に大きく影響します。

この先も気温上昇が続けば、真夏でも家全体が快適で光熱費を抑えられる省エネ住宅が当たり前のように選ばれる時代になると考えられます。

そのような時代になっても、資産価値を維持しながら長く快適に暮らせる家を建てたいとお考えの方は、ぜひ一度福岡工務店へご相談ください。

 

高気密・高断熱住宅に精通したスタッフが、丁寧にわかりやすくご説明させていただきます。