家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】

C値(気密値)が良い高気密な家は、冷暖房の効きが良く、大きな吹き抜けを設けても光熱費を抑えながら快適に暮らせる家です。

本記事では、一層の高性能化が求められているこれからの住宅に必要なC値の目安や、気密性を上げる3つのポイントなどを解説します。

家が完成した後にC値を改善することは非常に困難です。これから家づくりを始める方が、新居で後悔なく快適に暮らすために重要な情報ですので、是非ご覧ください。

 

 

一般的な家のC値とは?

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】

はじめに、C値は数値が小さいほど気密性が良くなります。

そして、家のC値には住宅性能ごとに以下のような目安があります。

・一般的な住宅:10㎠/㎡程度/家全体でA3用紙の大きさの隙間
・全国の省エネ基準の住宅:5㎠/㎡程度/家全体でB5用紙の大きさの隙間
・一般的な高気密住宅:1㎠/㎡程度/家全体でハガキ用紙半分の大きさの隙間

 

 

C値の目安や適正値

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】

これから住宅購入を検討される方は、可能な限り先進国で定められている気密性能の基準【C値=0.5㎠/㎡】を下回るように施工してもらうことをお勧めします。

ただし、C値はできる限り小さくしたほうが良いものの、C値を一定水準以下にするには、現場監督や職人が気密に関する知識を有していることが大前提となり、かつ念入りな施工が求められるため時間もある程度かかります。つまり、人件費などの費用増加に繋がってしまいます。

もし予算が限られる場合、費用対効果の観点から最低でも【C値=0.7㎠/㎡以下】になるように施工を依頼することを推奨します。

 

C値が悪いと何が起こるのか

C値が悪い家では、24時間換気装置による計画通りの換気ができません。

なぜなら、隙間の多い家では意図しない箇所で空気の出入りが発生してしまうためです。

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】

それにより、空気が淀んで湿気が溜まりカビの原因になったり、夏は暑く冬に寒くなったり、「快適」とは程遠い家になってしまいます。

ですから、福岡工務店では最低でもC値=0.7㎠/㎡以下の高気密住宅を推奨しています。

 

 

C値が小さい高気密な家 3つのメリット

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】

では、C値が小さい高気密な家にはどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3つのメリットをご紹介します。

・家中どこでも快適
・光熱費が抑えられる
・汚染物質の侵入を防ぐ

それぞれ詳しく説明します。

 

家中どこでも快適

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】

気密性が悪い住宅の場合、隙間から外気が侵入してくるため、特に冬は足元が冷えるなどの「温度ムラ」が発生しやすくなります。

その上、せっかく温めた室内の空気が家の外に漏れ出してしまうため、室内を快適な温度で維持することが困難になります。

気密性能を高めることは、こうした室内の温度ムラを抑制し、室内を快適な温度で維持することにつながります。

また、家中の温度を一定に近づけることで、冬場に多いヒートショックによる心筋梗塞や脳梗塞のリスクを軽減させることにもなります。

 

光熱費が抑えられる

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】高気密な家は、冷暖房の空気が外部に漏れることや外気が住居内に侵入するのを防ぎます。そのため、エアコンによって調整した室温を保ちやすくなり、快適に過ごすことができます。

また、室温を保つことができるということは冷暖房費を抑えられるということです。福岡工務店のオーナー様からも「1年中エアコンを付けっぱなしにしていたのに光熱費が下がった」という驚きの声をいただいています。

 

汚染物質の侵入を防ぐ

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】気密性が悪い住宅では、24時間換気を行なっていたとしても室内の空気を綺麗に循環させることができません。

それは、先ほどもご説明した通り、家の隙間が多いと意図しない箇所からの空気の出入りが生まれてしまい、室内の空気に適切な圧力をかけられないからです。

C値の小さい高気密な家であれば、換気口での吸排気を計画通り行なうことができます。また、吸気口に花粉やPM2.5に対応したフィルターを取り付けることで、家の中への汚染物質の侵入を防ぐことができます。

フィルターは洗浄ができ比較的安価に購入であるため、家の各部屋に空気清浄機を購入するよりも合理的な対策が可能です。

 

この他にも高気密な家には数多くのメリットがあります。さらに詳しく知りたい方は、ぜひ一度福岡工務店へご来社ください。

高性能住宅にこだわって建築を続ける福岡工務店のスタッフが、高気密高断熱な家の良さを詳しくお教えします。

 

 

 

家のC値を上げる3つのポイント

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】

続いては、これから家づくりを始める方が家のC値を上げる、つまり高気密な家を建てるために重要な3つのポイントをお教えします。

・高気密住宅の実績豊富な会社を選ぶ
・「引き違い窓」を減らす
・樹脂サッシを採用する

それぞれ詳しく説明します。

 

高気密住宅の実績豊富な会社を選ぶ

気密性を向上させるには、各工程でしかできない箇所、隙間ができやすい箇所に気密処理を施し、細部まで隙間を埋めていく必要があります。

気密処理とは、開口部周りやコンセント周り、設備配管周り、そして、部材同士が交差する接合部に生じる隙間を気密テープや発砲ウレタンフォームで埋める処理のことです。

細部まで気密処理をおこなうには、現場監督や職人の高い意識と技術力が必要になり、特に高い意識を保ち続けられるかがポイントになります。

高気密住宅の十分な知識と実績のある住宅建築会社を選ぶことで、気密性の高い家の実現へと大きく近づきます。

 

「引き違い窓」を減らす

引き違い窓とは、日本で一般的に採用されている、左右2枚のガラス板をスライドすることで開閉するタイプの窓のことです。

多くの住宅で採用されているものの、隙間ができやすく、気密性が悪くなりやすいという欠点があります。

対策として、引き違い窓を設置していた開口部を片開き窓にすることで気密性能を高められます。

また、現代の家は換気システムにより室内の空気が入れ替わるように設計されているため、開ける必要の無い窓についてはFIX窓にするという方法もあります。

 

樹脂サッシを採用する

日本ではこれまでアルミ製のサッシが一般的でした。しかし、木製サッシが一般的な北欧を除く先進国では、樹脂製のサッシが一般的です。

なぜなら、樹脂はアルミの1000倍も熱を通しにくく高気密高断熱な家に適しているためです。

そのような特徴から、樹脂サッシは気密性にも優れた物が多くつくられています。

気密性・快適性の両面から、これから家づくりを行なう際には樹脂サッシ窓を採用することを強くお勧めします。

 

 

高性能な家を建てられるハウスメーカーの見極め方

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】最後に、高気密な家を建てたいと思った時に、高気密高断熱な高性能住宅を建てられるハウスメーカーを見極めるためのポイント3点をお教えします。

・住宅の断熱方法を確認する
・窓の種類を確認する
・気密検査の有無を確認する

それぞれ詳しくご説明します。

 

住宅の断熱方法を確認する

住宅の高性能への意識の違いによって、主に「天井部分」と「床部分」の断熱方法が異なります。

 

【天井部分の断熱】

屋根断熱

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】屋根の部分に断熱材を張ることで、全ての構造体を外気の影響から守ることができます。

また、小屋裏(屋根裏)空間まで居室と同じ環境にできるため、収納はもちろん吹き抜けや勾配天井、ロフトなどにも活用ができます。

 

天井断熱

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】 屋根の下の天井部分に断熱材を張ることで、屋根断熱よりも断熱材の施工面積が小さく、材料も少なくなるためコストを抑えられます。

ただし、小屋裏空間の利用や、勾配天井などの実現はできません。また、小屋裏の換気を怠ると結露などの原因となってしまう場合があります。

 

【床部分の断熱】

基礎断熱家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】

基礎の部分に断熱材を張ることで、床下も居室と同じ環境にできます。そのため、適切に施工を行なえば断熱性や快適性を向上させられ、床暖房が無くても床を冷たく感じません。このような特徴から寒冷地で主に取り扱われています。

ただし、シロアリ対策として適切な断熱材の使用や処理を施す必要があります。

 

・床断熱

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】床断熱では、床下空間には換気口を設置して風通しを良くします。そのため、外気とほぼ同じ環境になります。日本で長く採用されてきている断熱方法であるため、技術レベルが安定していると言えるでしょう。

ただし、床下の環境を自然に委ねることになるため、夏場の結露やカビなどの不安があります。また、床の温かさという点では基礎断熱に劣ります。

 

このように、天井部分や床部分の断熱方法を確認することで、ハウスメーカーの住宅性能への考え方を知ることができます。

 

窓の種類を確認する

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】気密性を高めるポイントでもご説明したように、気密性能にこだわりのあるハウスメーカーでは、窓のサッシに樹脂を採用するのが一般的です。

その他のサッシタイプでは、アルミ・アルミ樹脂複合・木製等もありますが、アルミはもちろんアルミ樹脂複合タイプでも結露に悩まされている方は多くいるようです。

また、窓ガラスの枚数にも注目しましょう。

窓ガラスの枚数は、単層(1枚)・ペアガラス(2枚)・トリプルガラス(3枚)と複数の選択肢がありますが、性能にこだわるハウスメーカーでは、樹脂サッシ+トリプルガラスというのが当たり前になっています。

断熱や気密の性能が良い家では、窓やドアからの熱の移動が多くなります。あまり意識されていない方も多いと思いますが、標準仕様となっている窓やサッシもしっかりと確認すべきです。

 

気密検査(気密測定)の有無を確認する

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】C値は第三者検査機関の気密測定技能者による気密性能試験で測ることができます。しかし、気密検査を実施していないハウスメーカーもあるため注意が必要です。

また、この気密検査ではどこに隙間があるのかまでは分かりません。つまり、そこから先は現場監督と職人による経験と勘で、それらの隙間を埋めていく作業が必要になるということです。

ただし、一般的には下記の部分に隙間が生じやすいとされています。

● 天井や壁、基礎との接合部
● ドアや窓などの開口部
● コンセント周り

これらの箇所の隙間を優先的に確認し、時間をかけて丁寧に隙間を埋める施工を行なうことで、気密性を高めることができます。

C値は現場での測定でしか図ることができないため、手抜き工事をされないためにも必ず気密検査を依頼しましょう。

 

 

まとめ

家の気密性能を上げるには【C値の目安や高気密住宅を建てる方法を解説】本記事では、これからの住宅に必要なC値の目安や気密性を上げる3つのポイント、高性能な家を建てられるハウスメーカーの見極め方などを解説しました。

福岡工務店は、創業時より高性能な注文住宅を専門に建築してきました。いつまでも快適で価値のある住宅とするために、時代に合わせて住宅の品質もアップデートしています。

気密検査は全棟実施しており、樹脂サッシのトリプルガラスや屋根・基礎断熱、第1種換気など高性能な家づくりが標準です。また、第三者機関から全国で唯一の3つ星+1の技術評価も受けています。

福岡で高性能な家づくりをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。