高断熱を実現する外断熱工法

高断熱を実現する外断熱工法

断熱工法には、構造躯体を断熱材で包み込む外張り断熱工法(外断熱工法)と、構造躯体の柱間に断熱材を埋め込む充填断熱工法(内断熱工法)の二種類があります。

福岡工務店では、気密性能と断熱性能を高めやすく高気密高断熱に向いている外断熱工法で建築しています。また、外断熱工法には壁内結露を防ぎやすいという大きな利点もあります。

 

 

 

外断熱とは

高断熱を実現する外断熱工法

外断熱とは、家の構造を断熱材で包み込む工法のことで、木造住宅の場合の正式名称は「外張り断熱工法」と言います。断熱材より内側に柱や筋交いなどの家を支える部材がくるため、家を支える構造が外気の影響を受けなくなります。

また、外気の影響を抑えることは部材の劣化を防ぐだけでなく、冬場に生じる壁内結露も防ぐため建物が長持ちします。さらに、冷暖房エネルギーのロスまで最小限に食い止めることができます。

 

 

外断熱の特徴

高断熱を実現する外断熱工法

快適な暮らしに欠かせないのが断熱性能です。外断熱と高気密な施工をおこなうことで魔法瓶のような住宅になります。そのため、気温が35℃以上の猛暑でも0℃以下の極寒でも、家の中は半袖で生活できるほどの室温を保ちます。

また、居室ごとの温度差がないので、急激な温度差で引き起こされる心筋梗塞や脳梗塞などのヒートショックのリスク軽減にもつながり、老後まで見据えた時により健康に暮らすことができます。

 

サーモグラフィで比較

目に見えない断熱性能や気密性能は、サーモグラフィカメラで見える化できます。これから紹介する写真は「一般的な住宅」と「福岡工務店の高性能住宅」を比較したものです。

色は赤から白になるほど高温になっていることを示し、緑から青になるほど低温になっていることを示しています。撮影日はいずれも35℃以上を記録した猛暑日です。

 

窓と床の境目の温度変化

断熱性能というと「壁」が注目されがちですが、住宅で最も熱の移動(熱伝導)が大きいのは窓です。窓を断熱性能の高いものにすることで、室内の温度を快適に保つことができます。

 

●一般的な住宅の場合

高断熱を実現する外断熱工法

一般的な住宅は「アルミサッシ」を使用しています。アルミサッシはベランダと同様に高温を示す白色になっており、室内に進むにつれて徐々に温度が下がっています。つまり、外の熱が窓を通過して室内に伝わっていることを示しています。

 

●福岡工務店の高性能住宅の場合

高断熱を実現する外断熱工法

福岡工務店の高性能住宅では「樹脂サッシ」を使用しています。樹脂サッシはサッシの部分から徐々に温度が下がり、室内は低温を表す濃い青色になっています。つまり、外の熱が窓を通過せず室内に伝わっていないことを示しています。

 

壁と天井の境目の温度変化

壁と天井の境目付近は最も施工の精度が求められます。なぜなら、境目付近の気密処理や断熱材の施工の精度が低いと断熱欠損を引き起こし、外気の影響を直接受けることになるからです。

冬場は断熱欠損した部分で壁内結露を引き起こし、壁の中でカビが発生する要因になります。また、水分の重みで断熱材がズレ下がることもあり、断熱欠損がますます広がってしまいます。

 

●一般的な住宅の場合

高断熱を実現する外断熱工法

壁と天井の境目付近が明らかに高温になっているのが分かります。つまり、断熱欠損を引き起こしているのです。冬場はこの付近で壁内結露が発生する可能性があります。

 

●福岡工務店の高性能住宅の場合

高断熱を実現する外断熱工法

わずかに色に変化が生じていますが温度はほとんど均等です。つまり、隅々まで気密処理が適正におこなわれており、きちんと断熱材が施工されている証拠になります。

 

 

外断熱の構造

高断熱を実現する外断熱工法

福岡工務店の外断熱は、屋根や壁だけでなく基礎も断熱材で覆う「基礎外断熱」です。ここでは、それぞれの箇所が、どのような構造になっているのかご紹介します。

 

外断熱の屋根や壁の構造

高断熱を実現する外断熱工法

屋根や壁の構造の外側を断熱材で覆い、断熱材と断熱材の継ぎ目には専用の気密テープを貼ることで隙間を塞いでいます。また、部材が交差するところにできる隙間や、構造と面材の接触面にできる隙間をスプレータイプの発泡ウレタンで塞ぎます。

 

外断熱の基礎の構造

高断熱を実現する外断熱工法

基礎は防蟻処理した断熱材で覆い、断熱材と断熱材の継ぎ目には専用のテープを貼ることで隙間を塞ぎます。また、24時間換気の排気口を床下に設けて負圧にし、室内の快適な空気が常に床下へ流れ込むことで、床下も室内と同じ環境にしています。

 

外断熱の断熱処理

断熱材の性能は熱伝導率と厚さで決まります。断熱材ごとに長所や短所があり、施工方法・注意点・費用も様々です。ポイントは、断熱材を「屋根~壁~基礎」まで連続して施工することで、断熱欠損が生じないようにしなければなりません。

 

 

断熱工法は2種類

高断熱を実現する外断熱工法

断熱工法は大きく、外張り断熱工法(外断熱)と充填断熱工法(内断熱)の2種類あります。それぞれの断熱工法についてご紹介します。

 

外張り断熱工法(外断熱)

建物の構造を断熱材で包み込む工法です。ポリスチレンフォーム・硬質ウレタンフォーム・フェノールフォームなどの板状の断熱材を、壁の場合は柱や耐力パネルの外側に、屋根の場合は垂木や野地板の外側に施工します。

壁の中に空間が生まれるため、配線やニッチなどのスペースとして活用できることや、柱などで断熱材が途切れないため、断熱性能を高めやすいなどの特徴があります。

 

充填断熱工法(内断熱)

柱と柱の間に断熱材を充填する工法です。繊維系断熱材のグラスウールが一般的ですが、その他にもロックウールや羊毛断熱、現場で吹き付ける発泡系ウレタンやセルロースファイバーなどの断熱材が使用されています。

空気が出入りしやすく断熱材のない隙間があるため、熱損失が生じてしまうのはデメリットですが、外張り断熱工法と比べて費用を安くできるなどの特徴があります。