後悔しないマイホームの資金計画

後悔しないマイホームの資金計画「資金計画」という言葉を聞いたことはありますか?住宅展示場やハウスメーカー・工務店に家づくりの相談に行くと、必ずと言っていいほど資金計画の話があります。

本記事では、マイホームを手に入れるための資金計画とは何か、そして後悔しないための資金計画の方法について解説します。

 

 

マイホームの資金計画とは

後悔しないマイホームの資金計画マイホームの資金計画は、住宅の建築に必要なお金(資金)を「どのように用意するか」「支払っていくか」の計画を指します。

「資金計画=住宅を手に入れるための計画」というイメージを持たれている場合もありますが、家は一生に一度の大きな買い物です。長期的な視点で、ライフステージの変化が起きても無理なく支払えることが「資金計画」には重要です。

 

マイホームの資金計画の方法

後悔しないマイホームの資金計画後から思いもよらないお金が必要になって後悔しないために、マイホームの資金計画には大きく3つのステップがあります。

①家計の把握
②建築に必要なお金の確認
③住宅建築後に必要なお金の確認

それぞれ詳しく説明します。

 

マイホームの資金計画の方法①家計の把握

後悔しないマイホームの資金計画資金計画を立てるために、最初にやるべきは「家計の把握」です。毎月の収入と支出を正しく把握するため、項目ごとに整理しましょう。

【収入】

●夫の収入(総支給額・手取り額)
●妻の収入(総支給額・手取り額)
●その他の収入
●世帯の合計収入(総支給額・手取り額)

家計の収支を把握するには基本的に手取り額だけで十分です。

しかし、住宅ローンの借入額を算出する際には「総支給額」が基準となるため、併せて確認しておきましょう。

 

【支出】

●食費
●光熱費
●通信費
●医療費
●住居費(家賃・共益費・管理費)
●教育資金
●各種保険
●自動車ローン
●駐車場料金
●その他
●貯蓄や投資
●合計支出

上の様に自動車ローンと駐車場代は分けておくことをオススメします。

理由は2つあり、1つは家を建てるとほとんどの場合は駐車場代が必要なくなること。一戸建てを建てる場合には、それまで毎月の支出となっていた駐車場代を余剰資金と見ることができます。

2つ目は、住宅ローン審査の際に「その他の借入や返済」として自動車ローンを申告することになるためです。

そのような理由から、自動車ローン以外にも借入がある場合には「その他」にまとめず、「毎月の返済」などと分けておくと良いでしょう。

 

マイホームの資金計画の方法②住宅建築に必要なお金の確認

後悔しないマイホームの資金計画家計の収支が確認できたら、次はマイホームを建てる際に必要なお金を確認しましょう。

住宅建築時には約8割の方が住宅ローンを利用しますが、全てを住宅ローンだけで支払えるわけではなく、最低限現金が必要な場面があるため、個別に紹介します。

建築時に必要なお金の代表例には以下のようなものがあります。

●住宅建築費・土地購入費
●付帯工事費
●諸費用

●その他の費用

それぞれ詳しく説明します。

 

住宅建築費・土地購入費

「住宅の建築費や土地の購入費は住宅ローンで支払いたい」という方は多いです。そして、頭金はゼロで建物本体や土地価格のほとんどを住宅ローンで支払うことは可能です。

しかし、住宅建築の契約時や土地の買い付け時には「契約金」や「手付金」という形で現金が必要になります。

 

契約金や手付金

一般的に住宅建築の契約金は建築費の10%程度、土地購入の手付金は土地価格の5~10%程度と言われています。例えば、土地と建物の合計金額が5000万円の場合、契約金や手付金として約500万円の現金が必要ということです。

ただし、相場としての一例であり、土地によっては手付金が高く設定されている場合や、住宅建築の契約金が「〇〇万円以上であればOK!」と安く設定されている場合もあります。

手付金や契約金は「預けるお金」というイメージですので、最終的に頭金に充当することや返金してもらうことが可能です。いずれにしても、基本的に現金ゼロで家を建てることは出来ないことは押さえておきましょう。

 

付帯工事費

付帯工事費は、古家が残っている土地を建て替える際の解体工事や、造成工事・基礎補強工事など、建物本体以外の工事にかかる費用を指します。付帯工事費は、家づくり全体の約10%程度が費用の目安と言われています。

【付帯工事費用の例】※状況により、その他の工事が発生する場合があります

工事名工事内容
外構工事玄関ポーチや駐車場、塀や門扉等の工事費用です。
解体工事建て替えの方や建物付きの土地を購入された方は必要になります。
配管工事水道や下水道等が敷地にない場合、新たに引き込む際に発生します。
地盤改良地盤調査の結果、地盤が弱い場合に発生する改良工事費用です。

付帯工事費は基本的に住宅ローンに組み込むことが可能ですが「〇〇〇〇万円で建てられます!」という打ち出しがされている場合の「〇〇〇〇万円」には、基本的に付帯工事費が含まれていないため注意してください。

 

諸費用

諸費用は、登記費用や住宅ローン手続き費用、火災保険料など、ローンや税金・保険料などの費用を指します。新築一戸建ての諸費用の相場は5~10%程と言われています。

諸費用を組み込める住宅ローンもありますが、土地や建物の価値以上の金額を借りることになるため、住宅ローン審査は厳しくなると言われています。

【諸費用の例】※状況により、その他の工事が発生する場合があります

諸費用名内容
登記費用建物や所有者を表す登記、銀行が担保をつける登記など、複数の登記申請の費用です。
印紙代建物の工事請負契約書や設計契約書に貼る税金です。
地盤調査と保証費用地盤調査の費用と地盤保証のための費用です。
設計確認申請料と手数料設計費と設計図が建築基準法に沿っているか役所に確認してもらい、工事着工の許可をもらうための費用です。
水道加入金新しく水道を引いた方や水道の配管を新しくされた方に必要な費用です。
インテリアコーディネート料インテリアコーディネートを希望される方は必要です。
ローン手数料や利息住宅ローンを利用する方は必要になります。
火災保険料万が一に備えて保険に加入する必要があります。特にローンを組まれる方は必須です。
照明・カーテン・エアコン費用住むためには必要不可欠なので、予算組みをしておけば安心です。

 

【長期優良住宅の認定を取得する費用の例】

費用名内容
長期優良住宅申請料と手数料上記の設計確認申請と同じように、長期優良住宅に適合しているか審査してもらうための費用です。

 

その他の費用

その他の費用は、建て替えの際の仮住まい費用や、引っ越し費用、地鎮祭などの式祭典費用が挙げられます。これらは基本的に現金で支払うことになります。

【その他の費用の例】

費用名内容
地鎮祭・上棟式の費用式典を希望される方は必要です。
引越し費用お引っ越しの段取りや見積もりも余裕を持ってしておけば安心です。

建築時に必要なお金についてお話してきました。ほとんどは住宅ローンで支払うことも可能ですが「土地や建物の契約金・手付金」「その他の費用」については現金が必要ですから注意しましょう。

建築時に必要な費用について、詳しくは「家づくりにかかるお金や費用について知る【建物本体費用や諸費用を解説】」ページをご覧ください。

 

【頭金について】

「住宅建築時に頭金は必要無いの?」と思った方もいると思いますが、頭金は必須ではありません。

それでも、ある程度の頭金を用意することで住宅ローン審査が有利になったり、月々の住宅ローン返済額を減らせることで家計が安定したり、いくつもメリットはあります。

フラット35の調査によると、土地の購入から注文住宅の建築をおこなう方は平均して「購入費用の約10%程度」の頭金を用意されているようです。

2024年現在は超低金利が続いており、住宅ローン控除の額を増やすためにあえて出来る限り住宅ローンで支払うという方もいらっしゃいます。

また、いざという時のために手元にある程度の現金を残しておくことも重要です。頭金は貯蓄とのバランスを考えて用意しましょう。

 

マイホームの資金計画の方法③住宅建築後に必要なお金の確認

後悔しないマイホームの資金計画

冒頭でもお伝えした通り、資金計画の際には住宅建築後に必要なお金のことも考えておくのが重要です。

住宅建築後に考えておくべき費用には、以下のようなものがあります。

●月々の住宅ローン返済
●固定資産税・都市計画税
●駐車場代
●修繕費用

それぞれ詳しく説明します。

 

月々の住宅ローン返済

住宅建築時に借り入れた住宅ローン総額と返済期間や金利を基にして、毎月の住宅ローン返済額が決まります。

注意が必要なのは、借りられる額と無理なく返せる額は違うことです。一般的には毎年の返済額が年収(総支給額)の30~35%程度になる金額が借りられる上限ですが、20~25%程度に収めておく方が無理なく返済できると言われています。

金融機関のWEBサイト等で借入金額に応じた月々の返済額をシミュレーションもできますので、一度試してみるのも良いでしょう。

 

固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税は、土地・建物などの固定資産を持っている人が負担する税金です。毎年1月1日時点の所有者に4月~6月頃納税通知書が届き、福岡市では年4回(4月・7月・12月・翌年の2月)に分けて納税することとなります。

 

駐車場代

一戸建てを建築すると多くの場合は駐車スペースを設けられるため、駐車場代は必要なくなります。ただし、マンションを購入する場合や、一戸建てでも駐車スペースがつくれない場合には、賃貸住宅と同様に駐車場代を支出として考えておきましょう。

 

修繕費用

住宅購入後は、おおよそ10年経過する頃から修繕が必要になります。マンション購入時の「修繕積立金」にあたる部分です。

採用する設備等によって設備の寿命は異なりますが、目安として10年間で200万円程度(1.7万円/月)程度を目安に積み立てておくことで、住宅を長く快適に保つことができるでしょう。

 

資金計画ができたらマイホームの予算を決める

後悔しないマイホームの資金計画家計の収支や無理なく支払える住宅ローン金額が見えてきたら、マイホームの予算が決められます。

マイホームの予算は【「無理なく支払いが続けられる住宅ローン金額」+「頭金」-諸費用】で算出するのが基本です。

高性能住宅の建築の際には様々な税制優遇や補助もあるため、大体の予算が立てられたら、気になるハウスメーカーや工務店などに相談するのが良いでしょう。

 

まとめ

後悔しないマイホームの資金計画本記事では「マイホームを手に入れるための資金計画とは何なのか」「後悔しない資金計画の立て方」について解説しました。

お伝えしている通り、マイホームにおける資金計画は「マイホームを手に入れる事」がゴールではありません。

多くの方にとって、家を建てるまでは「住宅ローンに通るか」が最も気になるポイントだとは思いますが、末永く幸せな暮らしを続けるためにも、しっかりと資金計画を行いましょう。

福岡工務店では、家づくりを真剣にお考えのお客様に資金計画のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)の無料相談をご紹介しております。家づくりの資金に不安があるという方も、まずはお気軽にご連絡ください。