6000万円の住宅ローンを利用できる年収と月々の返済額の目安

6000万円の住宅ローンを利用できる年収と月々の返済額の目安

住宅ローンは、住宅を購入される方の約8割がご利用されます。しかし、ご自身が住宅を購入する際、「住宅ローンをいくら組むことができるのか?」という不安を感じている方も多いでしょう。

本記事では、住宅ローンの利用を検討中の方に向けて、6000万円の住宅ローンを利用する場合に必要な年収や月々の返済額の目安などを解説します。

 

 

住宅ローンのメリットとデメリット

6000万円の住宅ローンを利用できる年収と月々の返済額の目安

まずは、住宅ローンを利用することのメリットとデメリットについて確認しましょう。

 

住宅ローンのメリット

住宅ローンのメリットとして、以下の3つが挙げられます。

●住宅ローン減税が受けられる
●団体信用生命保険に加入できる
●資金がなくても住宅を取得できる

それぞれ順番に解説します。

 

住宅ローン減税が受けられる

住宅ローン減税は、子育て世帯や若者夫婦世帯が一定の期間内に住宅を取得した際に活用できる制度です。年末の住宅ローン残高の0.7%が、最大13年間に渡って所得税や住民税から減税される、非常に経済的メリットが大きな制度です。

ただし、近年の制度変更に伴って住宅ローン減税の対象となる住宅が「省エネ基準に適合したもの」に限定されました。控除対象となる住宅ローン残高は、上限の最も高い長期優良住宅で最大5000万円です。また、ローコスト住宅などを購入する場合には、減税の条件に適合しているか確認することをお勧めします。

※住宅ローン減税の詳しい情報や、最新の制度内容は国土交通省のHPをご確認いただくか、福岡工務店スタッフにお尋ねください。

 

団体信用生命保険に加入できる

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンを返済中に契約者が死亡や重度の障害などを負った場合に保険金が支払われ、住宅ローンの残高をゼロにしてくれる生命保険の一種です。団信は、住宅ローンを利用するタイミングでしか加入することができません。

また、民間の金融機関の住宅ローンを利用する場合、団信の加入が必須になっていることがほとんどで、基本的に保険料を負担する必要はありません。ただし、ガンなども保証する特約付きの商品については保険料を負担する必要があります。

保険料は住宅ローン金利に上乗せするのが一般的で、0.1%~0.3%程度が相場と言われており、一般的な死亡保険や医療保険に比べて保険料が安くお得な保険と言えます。

注意が必要なのは、健康状態が基準を満たしていないと団信に加入できないことです。つまり、住宅ローンの利用ができない可能性があります。その場合には、基準が緩和された「ワイド団信」という選択肢もありますが、追加で金利負担が発生してしまいます。

また、フラット35であれば団信の加入は任意となっていますので、健康状態に不安のある方はフラット35も検討すると良いでしょう。

 

資金がなくても持ち家を取得できる

こちらについては賛否ありますが、頭金なしの「フルローン」で持ち家を取得することが可能です。ただし、50万円~1割程度の手付金や、物件価格の3~7%程度の諸費用「手数料」「収入印紙」「登記費用」は現金が必要となります。

また、最近では諸費用や引っ越し費用まで住宅ローンに組み込む「オーバーローン」というものも普及しています。しかし、物件価格以上の借り入れとなるため審査が厳しいことや、ローン残債が多くなり売却時の難易度が上がるなどのマイナス要因もあります。

住宅ローン減税の控除額を増やす効果もあるため必ずしも悪いとは言えませんが、無理のない返済計画を立てる事が重要になるでしょう。

 

住宅ローンのデメリット

住宅ローンのデメリットは、「利息によって返済総額が増えてしまう事」です。しかし、金利の引き下げ競争により、ネット銀行で0.2%台の商品なども出ています。

1~8%の幅のある自動車ローンと比べると、金利はかなり抑えられていると言えます。(2024年3月現在)

 

 

6000万円の住宅ローンの返済額

6000万円の住宅ローンを利用できる年収と月々の返済額の目安ここでは、6000万円の住宅ローンを利用した場合、月々の返済額はいくらになり、総返済額はいくらになるのか、返済期間別にシミュレーションしていきます。

※条件は、借入額:6000万円、金利タイプ:変動金利、金利:0.7%、元利均等返済、ボーナス支払いなし(融資手数料・保証料は除く)

 

10年で住宅ローンを返済する場合

●総返済額:62,141,933円
●月返済額:517,849円
●金利総額:約214万円

 

20年で住宅ローンを返済する場合

●総返済額:64,315,331円
●月返済額:267,980円
●金利総額:約432万円

 

30年で住宅ローンを返済する場合

●総返済額:66,537,572円
●月返済額:184,827円
●金利総額:約654万円

 

35年で住宅ローンを返済する場合

●総返済額:67,667,037円
●月返済額:161,112円
●金利総額:約767万円

 

40年で住宅ローンを返済する場合

●総返済額:68,808,654円
●月返済額:143,351円
●金利総額:約881万円

 

50年で住宅ローンを返済する場合

●総返済額:71,128,279円
●月返済額:118,547円
●金利総額:約1113万円

 

住宅ローンシミュレーションの注意点

住宅ローンのシミュレーションをする際は、以下の点に注意が必要です。

 

完済時の年齢を80歳までに設定する

「住宅ローンと言えば35年」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。しかし、最近はシミュレーションのように50年という長期間に渡るローンを提供する金融機関も出てきました。

ところが、一般的に住宅ローンは80歳までに完済が必要な設計となっているため、年齢に応じて返済期間の上限が決まります。返済期間50年を選べるのは30歳まで、返済期間40年を選べるのは40歳までとなりますのでご注意ください。

 

変動金利は金利上昇の可能性がある

今回は、多く利用されている変動金利でシミュレーションしました。しかし、シミュレーションでは予測できない金利の上昇を考慮していません。

変動金利は固定金利に比べて約1%も金利が安いというメリットがありますが、一定期間ごとに金利が見直されるため、場合によっては固定金利以上の返済額となる可能性もあります。返済プランを計算する際は、金利上昇を加味して検討することが重要です。

 

福岡工務店では、資金計画が不安な方に対して、ファイナンシャルプランナーの相談を無料でご紹介しておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

 

 

 

6000万円の住宅ローンに必要な年収

6000万円の住宅ローンを利用できる年収と月々の返済額の目安住宅ローンは審査があるため、希望した額が満額で借りられるとは限りません。では、6000万円の住宅ローンを利用するためには、どの程度の年収が必要なのでしょうか。

適切な借入額を知るための指標に「年収倍率」と「返済負担率」があります。この2つの指標を基に、必要な年収について確認していきましょう。

 

年収倍率による適切な年収

年収倍率は、「住宅ローンの借入額が年収の何倍にあたるか」を示す指標で、6000万円を年収で割ることによって年収倍率を計算することができます。

年収倍率の全国平均は7倍程度で、借入可能な上限額は8倍程度が目安になりますが、毎月の返済額から考えると5~6倍程度を目安にすることが一般的です。6000万円の場合の年収別の年収倍率は以下になります。

●年収倍率5倍→年収1200万円
●年収倍率6倍→年収1000万円
●年収倍率7倍→年収857万円
●年収倍率8倍→年収750万円

6000万円の住宅ローンを利用するには、750万円程度の年収が必要であることがわかります。また、ゆとりある返済をするには年収1000万円以上が望ましいでしょう。

 

返済負担率による適切な年収

返済負担率は、「年間の返済額が年収の何%にあたるか」を示す指標で、住宅ローン審査の際にほとんどの金融機関によってチェックされます。金融機関や年収によって異なりますが、フラット35の場合は以下が基準です。

●年収400万円未満→返済負担率30%以下
●年収400万円以上→返済負担率35%以下

それでは、住宅ローンシミュレーションをもとに、年収別の返済負担率を見てみましょう。6000万円の住宅ローンを返済期間35年で利用する場合の年間の返済額は1,933,344円となり、年間の返済負担率は以下になります。

●年収1200万円→16.11%
●年収1000万円→19.34%
●年収857万円 →22.56%
●年収750万円 →25.78%

 

返済負担率は何%が望ましい?

上記では、全ての年収で返済負担率が35%以下となっているため、住宅ローンの審査上は問題がないように見えます。しかし、返済負担率については注意点があります。

 

金利が変われば返済負担率(返済比率)も変わる

上記の年収別の返済負担率の年間の返済額「1,933,344円」は、比較的金利の安い変動金利0.7%・返済期間35年をベースに算出したものです。

固定金利の代表格であるフラット35の標準的な金利1.84%(令和6年3月現在)に置き換えて計算すると、月々の返済額が約30,000円も高くなり年間の返済額は2,326,392円となるため、年間の返済負担率は以下になります。

●年収1200万円→19.39%
●年収1000万円→23.26%
●年収857万円 →27.15%
●年収750万円 →31.02%

年収750万円では返済負担率が限度である35%に近づき、住宅ローン審査に対する不安が出てきます。一見すると1%にも満たないわずかな金利差ですが、住宅ローン利用の可否に関わる重要なポイントです。

 

他のローンも返済負担率に含まれる

他のローンとは、自動車ローン・教育ローン・カードローンなどがあります。住宅ローン以外のローンがある場合は、それらも含めて返済負担率となります。

試しに、「年収750万円で他のローンを毎月6万円返済」という条件で、住宅ローンをいくら借入可能なのか計算してみます。すると、金利は同じ0.7%でも借入可能額が5912万円となり、6000万円の住宅ローンを借りることができなくなるのです。

そのため、年収に不安のある方は、住宅を購入する前に他のローンを完済したり、借入額を少なくしたりする必要があるでしょう。

 

住宅ローン審査用の金利がある

住宅ローン審査の際には、実際の融資で適用される金利とは異なる「審査金利」というものが使用されます。変動金利は返済期間中に金利上昇の恐れもあるため、金利上昇後も継続的に返済できるように高めの金利で審査がおこなわれるのです。

2024年2月現在の審査金利は3~4%が目安となっているため、金利4%で35年ローンの場合、6000万円の住宅ローンの年間の返済額は「3,187,968円」となり、年間の返済負担率は以下になります。

●年収1200万円→26.57%
●年収1000万円→31.88%
●年収857万円 →37.20%
●年収750万円 →42.51%

年収857万円でも返済負担率が35%を超えているため、住宅ローン審査に通らなくなってしまいます。ただし、審査金利は金融機関によって異なります。3%であれば年収857万円でも返済負担率は約32%となり住宅ローン審査をクリアできる可能性があります。

また、フラット35は基準となる金利が1.84%と高めではありますが、融資時の金利(融資実行金利)と審査金利が変わりません。そのため、フラット35は他の金融機関よりも住宅ローン審査に通りやすいと言えるでしょう。

 

 

6000万円の住宅ローンで建てられる家

6000万円の住宅ローンを利用できる年収と月々の返済額の目安

最後に、6000万円の住宅ローンで建てられる家について解説します。

 

「土地あり」高性能な注文住宅の建築が可能

建築用の土地をお持ちの方であれば、6000万円の住宅ローンの場合かなりハイグレードな注文住宅が建築可能です。内装や住宅設備、オプションなどもかなりの自由度で採用することができるでしょう。

 

「土地なし」高性能な注文住宅の建築が可能

フラット35を提供している住宅金融支援機構の調査によると、注文住宅の建築費の平均は「建築費2961万円」「土地取得費1436万円」の合計4397万円でした。

福岡の場合、エリアによって土地の価格に大きな差がありますが、6000万円というのは注文住宅の平均的な建築費の2倍以上の予算です。そのため、土地から購入する必要があったとしても多くの要望を叶えることができるでしょう。

 

 

まとめ

6000万円の住宅ローンを利用できる年収と月々の返済額の目安本記事では、住宅ローンの利用を検討中の方に向けて、6000万円の住宅ローンを利用する場合に必要な年収や月々の返済額の目安などを解説しました。

6000万円の住宅ローンでゆとりをもって返済するためには、1000万円程度の年収があることが望ましいと言えるでしょう。もし年収に不安がある場合でも、親からの支援などを受けたり、夫婦の収入を合算したペアローンを検討するなどの方法があります。

福岡工務店では、資金計画や住宅ローンなどのお悩みを解決するだけでなく、ご希望される方にはファイナンシャルプランナーの相談を無料でご紹介しておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。