田畑などの農地に家を建てる際のポイント【農地転用の各種手続きを解説】

田畑などの農地に家を建てる際のポイント【農地転用の各種手続きを解説】

現在、使用していない田畑などの農地を所有している方で、「農地を活用して家を建てたい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、使用していない田畑などの農地に家を建てることを検討中の方に向けて、農地転用の各種手続きやポイントをわかりやすく解説します。

 

 

 

農地に家は建てられるのか

田畑などの農地に家を建てる際のポイント【農地転用の各種手続きを解説】

最初に田畑などの農地に家を建てることができるのかをご説明します。

 

基本的に農地に家は建てられない

土地には「土地の目的」を表す23種類の地目が定められており、田・畑はその地目のひとつです。

23種類の地目の中で住宅を建てられるのは宅地・原野・山林・雑種地となっており、田・畑は原則「地目を宅地に変更する農地転用」ができれば可能となります。しかし、例外的に地目が農地のままでも住宅を建てられることがあります。

 

農地転用とは

農地転用とは、農地を農地以外の目的で使えるようにすることを指し、ここでは地目を農地から宅地に変更することを言います。農地転用をおこなうには原則、地元の農業委員会に申請書を提出し、都道府県知事から農地転用の許可を得る必要があります。

 

農地転用が必要ない市街化区域

農地転用の必要がない例外は、農地が市街化区域内にあるケースです。市街化区域は都市計画法で定められている区域のひとつで、「街の整備が進み市街地になっている区域や概ね10年以内に優先的・計画的に市街地として整備を図るべき区域」を指します。

市街化を進める区域であるため、農地転用や家を建てるための許可を得る必要がないのです。ただし、農業委員会への届け出は必要なことや、生産緑地を除くという条件があります。

 

 

農地に家を建てる際の手続き

田畑などの農地に家を建てる際のポイント【農地転用の各種手続きを解説】

農地に家を建てるには手続きが必要になります。ここでは、その費用や期間をご説明します。

 

農地に家を建てる手続きにかかる費用

農地に家を建てるための申請自体に費用はかかりません。しかし、専門的な必要書類を揃えるために行政書士に依頼することも多く、手数料などを支払うことになるのが一般的です。

 

農業委員会に「届け出」をする場合

家を建てたい農地が市街化地域内にあり、農業委員会への「届け出」で済む場合にかかる費用は、3~5万円程度と言われています。

 

農業委員会に「許可申請」をする場合

家を建てたい農地が市街化地域ではなく、農業委員会への「許可申請」が必要な場合にかかる費用は、6~8万円程度と言われています。

 

農地に家を建てる手続きにかかる期間

農地に家を建てるためにかかる期間は、届け出か許可申請かによって異なります。

 

農業委員会に「届け出」をする場合

農業委員会への「届け出」をおこなう場合は、1~2週間程度かかると言われています。

ただし、自治体によっては週ごと・月ごとに締め切り日を設けている場合があり、その締め切りを過ぎると次のタイミングでの届け出となるため、その分、時間を要することになります。

 

農業委員会に「許可申請」をする場合

農業委員会へ農地転用の「許可申請」をおこなう場合は、6週間程度かかると言われています。

申請日は毎月決められており、期日を逃すと翌月の申請となってしまいます。また、土地の条件によっては1年以上の期間を要する場合もあります。

 

 

農地に家を建てる際の注意点

田畑などの農地に家を建てる際のポイント【農地転用の各種手続きを解説】

農地に家を建てる際に注意しておきたいことは以下の3点です。

●転用できない農地もある
●土地の整備や改良が必要になる
●住宅ローン審査が厳しい場合がある

それぞれ順番に解説します。

 

転用できない農地もある

どんな農地でも必ず農地転用できるわけではありません。例として、生産力の高い農地の場合は「農用地区域」に指定され、厳しく制限を受けることがあります。

 

土地の整備や改良が必要になる

農業のために使われていた土地は水を多く使用するという特性上、地盤があまり強くないのが一般的です。そのため、地盤を改良する工事が必要になるでしょう。

また、住居が少ない土地は、上下水道や電気などのインフラ整備が必要な場合もあります。農地は相続等で譲り受ける方が多いですが、土地の整備や改良に費用が必要となることがありますので注意しましょう。

 

住宅ローン審査が厳しい場合がある

建築をおこなう方の約8割が住宅ローンを使用しますが、農地に家を建てる際に住宅ローンを使用する場合、市街化調整区域では担保としての価値で不利になります。

そうなると、金融機関から想定していたような融資が受けられないことも考えられます。農地で家を建てる際に住宅ローンを利用したいとお考えの方は、事前に金融機関に相談されることをお勧めしています。

 

 

農地に家を建てる際のポイント

田畑などの農地に家を建てる際のポイント【農地転用の各種手続きを解説】

最後に、農地で家を建てる際のポイントをご説明します。

 

農業委員会や建築指導課に相談

一言で農地と言っても、住宅を建てられる土地と建てられない土地があることをご説明しました。農地に家を建てることをご検討中の場合は、地元の農業委員会や役場の建築指導課に相談しましょう。

 

検討を始めたら早めに行動する

農地に家を建てる際はクリアしなければならない様々な条件があります。また、注文住宅の場合、家を建てること自体に最低でも数カ月の期間が必要となるため早めの行動を心掛けるようにしましょう。

 

ハウスメーカーや工務店に相談

建築実績の豊富なハウスメーカーや工務店であれば、農地で家を建てるために必要なことについて順を追ってサポートしてくれます。

特に農地は、宅地と違って家を建てる目的の土地ではありません。様々な法律や条件をクリアする必要性があるため、家づくりのプロに相談することが課題を解決する近道と言えるでしょう。

 

 

まとめ

田畑などの農地に家を建てる際のポイント【農地転用の各種手続きを解説】

本記事では、使用していない田畑などの農地に家を建てることを検討中の方に向けて、農地転用の各種手続きやポイントをわかりやすく解説しました。

農地でも法律や条件をクリアすれば家を建てることは可能ですが、申請手続きや土地の整備期間が必要になるため、宅地と比べて長く時間を要することもあります。

福岡工務店では、農地に家を建てた実績も十分にあります。農地転用などの手続きについてもしっかりとサポートさせていただきますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。