都市計画

都市計画法について

「都市計画法」とは、住人が暮らしやすいように、住居・商業・工業・自然等のバランスが整った街をつくるためのルールのことです。

もし都市計画法がなければ、住宅地のど真ん中に工場が建ったり、住宅が乱立して道路がジグザグになったり、開発業者が周辺の緑を全てなくしてしまったり、無計画に街づくりが行われたり、全体を管理することができないので、とても住みづらい街ができてしまいます。

都市計画法で家が建てられないことも!?

「実家の敷地内だから大丈夫」「建て替えなら問題ない」と思っていても、最悪の場合、都市計画法によって建てられないケースも考えられます。「そんなの知らなかった」とならないためにも、今回は福岡工務店での実例も合わせて「都市計画法」のことをチェックしていきましょう。

1:土地を分ける4つの階層

都市計画法では4つの階層で土地を分けて制限を設けています。

1-1:区域区分

区域区分では、「都市計画区域(街づくりの中心になる区域)」を更に3つに分類します。それではこの3つの区域を見ていきましょう。

市街化区域 すでに街として成り立っている区域や、これから街にしたい区域も指します。建物が建てやすい区域になります。
市街化調整区域 当面の間、市街化を計画していない区域のことです。農地が多く、建築物の密度が低い地域が該当することが多いです。原則として建物を新築できない区域となります。
白地地域 上記2つに該当しない地域。自治体ごとに規制が定められています。

家を新築しやすいのが「市街化区域」で、原則できないのが「市街化調整区域」としたら覚えやすくなります。また市街化区域・市街化調整区域に土地が分けられている状態を「土地の線引きがされている」と言います。

1-2:用途地域

用途地域では、「市街化区域(街、これから街にしたい区域)」を住居系・商業系・工業系の3つの目的に合わせて、計12種類に分けるための区分です。種類の異なる土地利用が混じっていると(例:住宅地の真ん中に工場が建った)、お互いの生活環境や業務の利便が悪くなります。それを防ぐためにある区分です。

第一種低層住居専用地域 低層住宅のための地域です。小規模のお店や事務所を兼ねた住宅や小中学校等が建てられます。
第二種低層住居専用地域 主に低層住宅のための地域です。小中学校等の他、150㎡までの一定のお店等が建てられます。
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅のための地域です。病院、大学、500㎡までの一定のお店等が建てられます。
第二種中高層住居専用地域 主に中高層住宅のための地域です。病院、大学等の他、1500㎡までの一定のお店や事務所等の必要な利便施設が建てられます。
第一種住居地域 住居の環境を守るための地域です。3000㎡までの店舗、事務所、ホテル等は建てられます。
第二種住居地域 主に住居の環境を守るための地域です。店舗、事務所、ホテル、カラオケボックス等は建てられます。
準住居地域 道路の沿道において自動車関連施設等の立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。
近隣商業地域 周りの住民が日用品の買物等をするための地域です。住宅や店舗の他に小規模の工場も建てられます。
商業地域 銀行、映画館、飲食店、百貨店等が集まる地域です。住宅や小規模の工場も建てられます。
準工業地域 主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。危険性、環境悪化が大きい工場の他はほとんど建てられます。
工業地域 どんな工場でも建てられる地域です。住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテル等は建てられません。
工業専用地域 工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、住宅、お店、学校、病院、ホテル等は建てられません。

1-3:地域地区

地域地区とは、用途地区とは異なる条件を設けた区分です。建築できる建物の種類を制限したり、逆に高層ビル等を建てやすくしたりする地区が含まれています。

1-4:地区計画

地区計画とは、統一性のある街を「コーディネート」するための計画です。ここまでの区分分けでは建物を建てるための制限が中心になっているので、街並みや雰囲気づくりに対する考えはありません。この計画では街全体に統一感を持たせるための具体的な内容を決めていきます。

土地は目に見えない法律によって、その用途が明確に分けられていることが分かりました。では次に都市計画区域の中から「市街化区域」について、実例を合わせて説明していきます。建て替え・新築問わず、耳にされる機会が増えると思われるキーワードの一つでもあります。

2:市街化区域の実例

市街化区域で建物を建てる時に深く関わってくるのは用途地域、地域地区、地区計画の要素です。ここではその3つの要素の中でも出てきやすい「地域地区」に注目してご紹介していきます。その土地に家を建てやすいかどうか、レベル1~5の解決難易度で表記しています。

2-1:準防火地域(解決難易度:★☆☆☆☆)

準防火地域とは、「火事になった際を考え、建物の規模や用途に合わせた防火措置が必要になる地域」です。住宅等の建物が密集している地域が該当します。建物が密集しているということは、その地域で火事が発生した場合に「隣へ燃え移る(延焼する)可能性」があると考えられます。そのため建物の規模に応じた防火措置が必要になります。

木造建築物における防火措置とは?
*屋根、外壁、開口部、軒裏の延焼のおそれがある部分を防火構造にする。

*隣地境界線や道路中心線等から1階は3m、2階以上は5m以下の距離にある建築物の部分。

チェックポイント
この地域は「防火構造に変更できれば家が建てられる」地域です。福岡工務店の家は元々、屋根、外壁、軒裏は防火構造の基準を満たしています。なので延焼の恐れがある開口部(窓・ドア・換気扇)を変更しました。専用の部材に変更するので金額面での計画をきちんと練る必要はあります。

2-2:戸建住環境形成地区(解決難易度:★☆☆☆☆)

戸建住環境形成地区とは、福岡市の定めた特別用途地区のことです。建物を建てるための条件が最も厳しい「第一種低層住居専用地域」が該当しています。

チェックポイント
第一種低層住宅専用地域は、建物を建てる際「建ぺい率40%、容積率60%」に加えて、高さ制限等の厳しい条件があります。ですが敷地面積、*外壁後退で特定の条件を満たすと、*建ぺい率・*容積率を緩和することができます。


*外壁後退とは「建物の外壁と敷地境界線までの距離」です。
*建ぺい率とは「その土地の何割を建物用として使えるか」を定めた割合です。
*容積率とは「その土地に建設できる建物の延床面積」を定めた割合です。2階建は1階と2階の床面積の合計です。

「戸建住環境形成地区?」確認チャート

1:敷地面積は165㎡未満ですか?

チェックポイント
都市計画決定日前から「165㎡未満」であることが確認できる敷地は「165㎡以上」として取り扱います。
※都市計画決定日は平成24年1月5日。

2:敷地面積は165㎡以上で外壁後退は1.0m以上1.5m未満ですか?

チェックポイント
都市計画決定日前に建築されたものの、「増築」において増築部分の外壁後退距離を1.5m以上確保する場合は該当しません。

3:敷地面積が165㎡以上で外壁後退が1.5m以上ですか?

チェックポイント
通常に比べて建ぺい率が10%増えて容積率も20%増えています。

増築の場合

2-3:風致地区(解決難易度:★★☆☆☆)

風致地区とは、都市計画区域内の住環境の優れた地域において、「緑のある美しい景観やその地域の計画に基づいた美しい街並みを保ってほしい地域」を指します。

チェックポイント
美しい景観が多いことから、風格や由緒ある高級住宅地を形成しやすいと言われている「風致地区」。外壁後退の条件だけでなく、その景観を守るため「*みどり率」という制度が設けられています。下記の条件を満たせば比較的「建物が建てやすい」地区です。

*みどり率とは敷地面積に対して「生長した樹木を水平に投影して測った面積」の割合を指します。敷地内にどれだけ植栽を行えばいいかの基準値になります。※福岡市では30%と定められています。

チェックポイント
風致地区内は、みどり率が「30%以上」になるように敷地内に植栽を行う必要があります。

3:市街化調整区域の実例

「原則として建物を新築することができない」とされている市街化調整地域ですが、特定の条件を揃えることができれば建物を建てることも可能になります。ここでは「実家の建て替え」と「農家住宅」に注目してご説明いたします。

3-1:実家の建て替え(解決難易度:★★★☆☆~★★★★★)

市街化調整地域でも、建て替えや新築を建てることが出来るケースがあります。その条件を満たすには、建物を建てたい土地にいつから建物があったのかが重要になります。「*登記簿」で確認できますが、行政が関わる内容なので自己判断は危険です。

チェックポイント
*土地の線引きがされた日(福岡市は昭和45年12月28日)をまたいで、建物が存在していたと証明された土地に関しては、同種同規模(またはそれより小さい)の建物なら建て替えが可能です。また、すでに解体して更地になっている状態でも同様に建てられる可能性があります。


*登記簿(とうきぼ)とは「その土地に、いつ、どんな用途で、どのくらいの規模の建物が建っていたか分かる履歴書」です。通常、法務局に保管されています。
*土地の線引きがされた日とは、市街化調整区域に区分された日のことです。この日はどこも同じではなく、県や市、地方によって違います。福岡市は昭和45年12月28日です。(※旧早良町の一部は昭和53年3月30日)

3-2:農家住宅(解決難易度:★★★☆☆~★★★★★)

農家住宅とは農業に従事する人が住むために建てた家を指します。希望する土地が市街化調整区域であっても、農家住宅なら建築の規制が除外されるようになっています。

チェックポイント
申請や細かい要件に関しては各自治体の条例によるため異なる場合が多いです。自力で行うにはかなりの時間と労力がかかりますので、プロの判断が必要になる案件です。

まとめ

今回は都市計画法に注目して「建物を建てるためのルールや条件」についてご説明いたしました。冒頭でお話したように「実家の敷地内だから大丈夫」「建て替えなら問題ない」の認識では、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。家づくりで失敗しないためにはご自身の判断に任せすぎず、早い段階でプロへ相談することが大切になってきます。私たち福岡工務店でも建て替えのご相談をお受けしております。住宅コンシェルジュが実際にご検討中の土地を拝見し、じっくりとお悩みの点やご要望をお伺いします。

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